「緑茶は体にいい」「コーヒーも健康にいい」──どちらも耳にしたことがあるよね。
でも実際に「どっちが抗酸化力に優れているの?」と聞かれたら、はっきり答えられる人は少ない。この記事では、最新の知見もふまえて両者を比較していく。
目次
抗酸化力とは何か?
まず整理しておきたいのが「抗酸化力」という言葉。
ぼくらの体は、呼吸や代謝の過程で「活性酸素」を生み出している。活性酸素は細胞にダメージを与え、老化や生活習慣病のリスクを高める要因とされているんだ。
この「酸化ストレス」から体を守るのが抗酸化物質。ポリフェノールやビタミンC・Eなどが代表的で、食品や飲み物に含まれる。
緑茶もコーヒーも、実は抗酸化物質がとても豊富で、日常的に摂取できる“身近な抗酸化習慣”なんだ。
緑茶の抗酸化成分と健康効果
緑茶といえば、真っ先に挙がるのが カテキン。
特に「エピガロカテキンガレート(EGCG)」は強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素の働きを抑えることで知られている。
緑茶の特徴的な成分
- カテキン(EGCG):抗酸化・抗炎症・血糖コントロール
- テアニン:リラックス作用。カフェインとバランスをとる
- カフェイン:覚醒作用。コーヒーより控えめで持続時間がやや長い
この組み合わせがユニークで、「シャキッとするけど落ち着く」という緑茶特有の感覚をつくっている。
健康効果の報告
- 脂肪燃焼を助け、代謝をサポートする可能性
- 血糖値の急上昇を抑える作用
- LDLコレステロール低下に関わる研究報告もあり、心血管の健康維持に寄与する可能性
一方で、緑茶サプリなどでEGCGを大量に摂りすぎると肝機能に影響することがあると報告されている。
日常的にお茶として飲むぶんには安全性が高いけれど、過剰摂取には注意が必要なんだ。
👉 参考:Cleveland Clinic – Green tea health benefits
コーヒーの抗酸化成分と健康効果
コーヒーに多く含まれるのは クロロゲン酸(CGA) というポリフェノール。
これも強力な抗酸化作用を持ち、血糖値の急上昇を抑えたり、肝臓の保護作用につながるとされている。
コーヒーの特徴的な成分
- クロロゲン酸(CGA):抗酸化・抗炎症・血糖上昇抑制・肝臓サポート
- カフェイン:覚醒作用が強く、集中力やパフォーマンス向上に寄与
- トリゴネリン:神経保護作用が期待される成分
健康効果の報告
- 2型糖尿病リスク低下(大規模疫学研究で報告)
- パーキンソン病やアルツハイマー病など神経疾患リスクとの関連
- 肝機能改善や肝がんリスク低下の可能性
ただしコーヒーも万能ではなく、飲みすぎれば胃の刺激や不眠を招く。一般的な推奨は1日3〜4杯まで。妊娠中やカフェインに敏感な人は量を減らす必要がある。
👉 参考:Frontiers in Pharmacology – Chlorogenic acids
緑茶とコーヒーの比較
それぞれの特徴を整理すると、違いがクリアになる。
項目 | 緑茶 | コーヒー |
---|---|---|
主な抗酸化成分 | カテキン(EGCG) | クロロゲン酸(CGA) |
カフェイン量(1杯) | 約30mg | 約80〜100mg |
特徴的成分 | テアニン(リラックス) | トリゴネリン(神経保護) |
得意分野 | 血糖コントロール、脂肪代謝、リラックス | 肝臓保護、神経疾患リスク低下、集中力UP |
健康効果の例 | 脂肪燃焼、コレステロール改善 | 糖尿病リスク低下、肝機能改善 |
注意点 | EGCG過剰で肝機能リスク(サプリ) | 飲みすぎで胃刺激・不眠 |
👉 両者とも「抗酸化作用」は強力。ただし得意分野が違うので、生活に合わせて選んだり組み合わせるのが賢い使い方。
飲むタイミングと生活シーンでの使い分け
- 朝:コーヒーで集中力と覚醒をサポート
- 昼:緑茶でリラックス+血糖安定
- 運動前:どちらも代謝サポートに有効。好みで選ぶ
- 夜:緑茶のテアニンでリラックス。ただし遅い時間のカフェインは避けたい
「どちらが優れているか」ではなく、一日の流れで役割を分けるのが実用的なんだ。
適量と注意点
- 緑茶:1日3〜5杯が目安。サプリでの高濃度摂取は避ける
- コーヒー:1日3〜4杯程度まで。妊娠中はカフェイン200mg以下が推奨
- 個人差も大きいため、「自分の体調と相談する」意識が大切
まとめ|正解は「どちらが優れているか」じゃない
- 緑茶=カテキン、コーヒー=クロロゲン酸。それぞれ違う抗酸化パワーを持つ
- 得意分野が違うから、両方をうまく取り入れるのが理想
- 大事なのは「量とタイミングの調整」
緑茶派でもコーヒー派でも、無理なく続けることでその一杯が未来の自分を守ってくれる。