頭がいい人より、“心がわかる人”のほうが、一緒にいて安心できる。
感情知能(EQ)っていうのは、自分や他人の感情を理解し、うまく扱う力のこと。
テストの点や知識の多さとはちがって、
“気づけるかどうか”“気遣えるかどうか”で差がつく力なんだ。
これって、ちょっとした表情の変化や、声のトーンに気づけることだったり、
「今この人、無理してるかな?」って思えることだったりする。
EQが高い人は、相手の感情だけじゃなく、自分の感情との付き合い方もうまい。
今回は、そんな“感情とのつきあい方の知性”について、いっしょに考えてみたい。
目次
「気づく」ことから、やさしさは始まる
「なんか今日は元気ないな」「あの言い方、ちょっときつかったかも」
そういう小さな気づきが、やさしさの種になる。
EQが高い人は、相手をよく観察している。
でもそれは、「顔色をうかがう」ってことじゃなくて、
ちゃんと「見ようとしてる」ってこと。
見ようとしないと、見えない。
気づこうとしないと、気づけない。
やさしさは、意識の先にある。
そして、気づいたあとに「どう声をかけるか」「そっとそばにいるだけにするか」
──その判断ができるのも、EQの力なんだ。
「感情を知る力」は、自分にも向けられる
EQって、他人のためだけじゃなくて、自分の感情に気づく力でもある。
「いま、なんかモヤモヤしてるな」
「ちょっとイライラしてるかも」
そんなふうに、自分の感情に名前をつけること。
名前がつくと、感情は静まる。
曖昧なままだと、心の中で暴れ続けてしまうから。
感情知能が高い人は、自分の感情に“ラベル”を貼るのがうまい。
それが、冷静さや落ち着きにつながっていくんだ。
そして、自分の気持ちに気づける人は、
人にもやさしくなれる。
「共感」と「同調」は、ちがうもの
誰かの感情に寄り添うことは大切。
でも、それは「一緒に沈むこと」じゃない。
EQが高い人は、相手の感情を尊重しながら、自分の軸を保つ。
たとえば、友達が落ち込んでいるとき、
「いっしょに落ち込む」のではなく、「そばにいてあげる」ことができる。
それが、ほんとうの共感。
いっしょに沈まなくても、そばにいられる強さ──
それがEQの正体だと、ぼくは思う。
そして、沈まないことで、
相手に「戻ってくる場所」を残してあげられるんだ。
感情を“整える力”は、生きるチカラになる
EQが高い人は、感情を“押し殺す”んじゃなくて、“整える”のがうまい。
たとえば、イライラしてるときに深呼吸したり、
落ち込んでる自分に「それでも大丈夫だよ」って声をかけたり。
そのちょっとした行動が、感情を落ち着かせるスイッチになる。
感情と向き合い、それを整える力は、
人間関係だけじゃなくて、人生全体を支えてくれる。
“心のメンテナンス”は、ぼくらの毎日に必要なスキルなんだ。
EQは、“自分と世界をつなぐバランサー”みたいなものかもしれない。
おわりに:「感情」とは、仲良くなれる
感情って、時々めんどうで、厄介で、でも本当は味方でもある。
怒りも、悲しみも、迷いも──
全部、何かを守ろうとして出てきたサインなんだ。
だからぼくは、感情に「ダメ出し」するんじゃなくて、
「よう来たな」って声をかけるようにしてる。
そうすると、不思議と気持ちが落ち着く。
EQって、“感情と仲良くなる力”だ。
それは、誰かと仲良くなるより、ちょっとむずかしいけど──
でも、いちばん最初に育てたい「やさしさ」なんだと思う。
それはきっと、自分のことを「味方だ」と思える力だから。
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