目次
1.「“ただの貧血”で、こんなに髪が抜けるなんて…」
「ずっと立ちくらみがひどくて、やっと病院に行ったら“鉄欠乏性貧血”と言われました」
「でも、まさか髪が抜ける原因まで“鉄不足”だったなんて…」
そんな声が、今とても増えています。
実際、貧血と診断されたことがある方でも、「髪のトラブル」と結びつけて考える方は意外と少ないかもしれません。
けれど、体の鉄が不足しているということは、栄養が“命に関わる部分”に優先的に使われてしまうということ。
つまり、髪や爪、肌などの“見た目に関わる場所”は、後回しにされがちなのです。
この記事では、鉄欠乏性貧血が髪に与える影響と、その仕組み、そして正しい対処法まで、医療的な視点から分かりやすくお届けします。
2. 鉄欠乏性貧血とヘアサイクルの密接な関係
髪は“常に生まれ変わっている”器官。毛根の奥では毛母細胞が絶えず分裂し、新しい髪を伸ばし続けています。
その活動には大量の栄養とエネルギーが必要で、中でも鉄は“酸素を届ける”重要な働きをしています。
鉄分が不足すると、
- 髪の成長スピードが落ちる
- 成長期が短くなり、休止期が長引く
- 結果として「抜け毛」が増える
といった変化が起こります。
つまり、貧血状態では“髪を育てる燃料”が足りない状態。元気な髪が育たないため、全体がペタンとしたり、ツヤがなくなったりといった症状も現れやすくなります。
3. 体内の鉄不足が髪に影響するメカニズム
鉄分には「ヘモグロビン」の材料になるだけでなく、「フェリチン」として体内に貯蔵されるという役割もあります。
このフェリチンは、毛母細胞のエネルギー代謝に深く関与しています。
鉄が不足してフェリチンの値が下がると、毛母細胞がエネルギー不足に陥り、ヘアサイクルが乱れてしまいます。
加えて、血流の低下や酸素供給の減少も起こりやすく、頭皮環境そのものも悪化。
髪が抜けやすく、また生えにくくなるという“ダブルパンチ”状態になってしまうのです。
4. 貧血治療の基礎(薬・食事・生活習慣)
鉄欠乏性貧血と診断された場合、まずは医師の指導のもとで治療を始めることが大切です。
【主な治療アプローチ】
- 鉄剤の服用:鉄分を補う基本の治療。胃への負担を抑える飲み方も指導されます。
- 食事療法:鉄を多く含む食材(レバー、赤身の肉、魚、豆製品など)を中心に、ビタミンCやたんぱく質もあわせて摂取。
- 生活習慣の見直し:過度なダイエットやストレス、睡眠不足は、鉄の吸収や代謝を妨げる要因に。
髪に良いことは、体全体にも良いこと。髪だけを見ず、全身の健康と向き合う視点が必要です。
5. “自己判断NG”なサインと病院受診の目安
「抜け毛が続くけど、どうせ季節のせいだろう」と思っていませんか?
以下のようなサインがある場合は、一度、医療機関でのチェックをおすすめします:
- 抜け毛が3ヶ月以上続いている
- 髪のボリュームが明らかに減った
- 爪が割れやすい、顔色が青白い
- 立ちくらみや息切れ、だるさが慢性的にある
- 生理が重く、経血量が多い
鉄欠乏性貧血は、自己判断では見落とされやすい症状です。
病院での「血液検査」でフェリチン値を確認することで、見えない不調の正体がわかることもあります。
6. まとめ|「鉄は、あなたの“未来の髪”を守るエネルギー」
髪は、体の栄養状態を映す“繊細なセンサー”のような存在。
「いつもより髪が抜ける」
「ボリュームがなくなった」
そんな変化は、未来のあなたからの小さなメッセージかもしれません。
鉄分は、髪の成長だけでなく、エネルギー代謝・免疫力・心のバランスなど、全身に関わる大切な栄養素です。
不調の“理由”がわかるだけで、少し心が軽くなる。
そう感じられたなら、次は一歩、体をいたわる選択をしてみてください。
🎙ブレイブ調律ポイント:

ブレイブ(Brave)
不調の“理由”がわかるだけで、ちょっと心が軽くなる。ぼくはそうだった。