「ここに来てくれて、ありがとう。
この記事は、“なんで自分だけできないんだろう”って感じたことのあるきみに向けて書いたんだ」
やる気はあるのに、手がつかない。
何度もリマインダーをかけたのに、忘れてしまう。
タスクを前にして、どうしても動けなくなる。
──ぼくにも、そういう日が何度もあった。
「自分は普通の人とどこか違うのかも」
そう思い始めてから、「できない自分」を責めるクセが強くなった。
でもあるとき、**“責めるより、工夫したほうがいい”**って気づいたんだ。
この記事では、ADHD傾向(グレーゾーン含む)に悩んでいるきみに向けて、
ぼくなりの“うまく付き合う方法”をやさしくまとめてみたよ。
大事なのは、自分に合うやり方を、試しながら探していくこと。
きみが少しでも楽になれるように、ぼくの経験も交えて書いていくね。
目次
ADHD傾向って、そもそも何?
まず最初に伝えておきたいのは、
ADHD(注意欠如・多動症)は「性格」ではなく「傾向や特性」だということ。
そして、その傾向はグレーゾーンの人にも、静かに影響している。
「ちゃんとしなきゃ」と思っているのに、
- 気が散る
- 集中しすぎて他のことを忘れる
- 期限を守れない
- スケジュール管理が苦手
- モノをなくす/忘れる
──そういった特性が組み合わさって、「生きづらさ」になることがある。
「注意がそれやすい」「集中しすぎる」などの特性
ADHDの主な特徴には、大きく分けて3つあると言われている:
- 注意がそれやすい(不注意傾向)
→ 話を聞いていても頭がどこかへ行ってしまう/タスクに取りかかれない - 集中しすぎて止まらない(過集中)
→ 興味のあることに夢中になりすぎて他のことを忘れる - 衝動的に動いてしまう(衝動性・多動性)
→ 思いつきで行動/空気を読まずに発言してしまう
このうちどれか一つでも当てはまるからといって、すぐに「診断」がつくわけじゃない。
だけど、“そういう傾向がある”と自覚することは、とても大きな一歩になる。
ぼくも、「ただの怠けだ」と思っていたことが、
実はADHD気質に近いものだったと気づいて、
「自分に合う工夫をしていいんだ」って、やっと思えるようになった。
“工夫しないと”生きづらいことが多い
もしきみが、
「何度も忘れる自分」
「締切に追われる自分」
「集中できない自分」
に落ち込んだ経験があるなら──
それは、“意志が弱いから”じゃない。
脳の仕組みや刺激の捉え方が、他の人とちょっと違うだけ。
ADHD傾向を持つ人は、
日常のなかに“普通”のフリをしなきゃいけない場面が多い。
でもその“普通”は、ぼくたちにとっては「工夫しないと成立しないもの」だったりする。
たとえば:
- スケジュール帳を開くのを忘れる
- アラームを何個もかけても止めてしまう
- タスクが頭の中で混線して、何から手をつければいいかわからない
この“生きづらさ”は、工夫なしではどうしても起きてしまう。
でも逆に言えば、**「工夫すれば生きやすくなる」**ということでもあるんだ。
ぼく自身、試行錯誤の連続だった。
でも、たとえ完璧にはできなくても、
“ちょっとラクにできた日”が増えていくだけで、毎日は変わっていった。
だからきみにも伝えたい。
「工夫しないといけない」ことは、恥じゃない。
それは、きみが「前に進もう」としてる証拠なんだよ。
タスク管理は「見える化×分割」がカギ
頭の中に「やらなきゃ」がたくさんあるのに、
どれから手をつけたらいいかわからない──
その状態って、めちゃくちゃしんどいよね。
ぼくも、よくこんなふうになってた:
・資料作らなきゃ
・返信返さなきゃ
・洗濯物も回さなきゃ
→ ……でも、動けない
その原因のひとつが、「見えてない」ことと「まとまりすぎてる」こと。
1タスク=1アクションまで分ける
ADHD気質のある人にとって、
“タスクが大きすぎる”と脳がフリーズしやすい。
だからコツは──
✅ タスクは「紙やアプリで“見える化”」して、
✅ 「実行できる単位(1アクション)」まで細かくすること。
たとえば:
🛑「プレゼンの準備」←これは大きすぎる
🟢「スライドを開く」→「1ページ目の見出しを入れる」→「構成を3つに分ける」
このレベルまで分解すれば、
“取りかかれそう”な気持ちが生まれる。
さらに、1つ進んだらチェックを入れる or 線で消す。
それだけで「進んでる実感」が残るから、
ぼくみたいに忘れやすいタイプでも、自己否定せずに済むんだ。
見える化と分割。
この2つは、ぼくの“行動できなかった日”を救ってくれた魔法みたいな仕組みだった。
忘れやすさを責めない仕組みをつくる
大事な予定を忘れる。
伝えるべきことを忘れる。
買い物リストを見ずに帰ってきてしまう。
──そんなとき、まず真っ先に来るのが「自己嫌悪」だった。
「なんでこんなことも覚えられないんだろう」って。
でも、それは記憶力の問題じゃない。
「忘れやすい脳の特性」に、“仕組み”で付き合ってないだけなんだ。
ADHD傾向のある人は、
・短期記憶の保持が難しい
・「未来の自分」を信用しすぎる(=今覚えてたら大丈夫、と思う)
・刺激が強い情報にすぐ上書きされてしまう
という特徴がある。
だから、覚えていようとする努力より、忘れてもいい前提の設計が必要になる。
✅ ぼくが使ってる“忘れ対策”の仕組み
🟢 リマインダーは“時刻”じゃなく“場所”で鳴らす
→「家を出るとき」「職場に着いたとき」などのトリガーを使う
🟢 忘れても再通知されるメモアプリを使う
→ 例:Google Keep/Notion/LINEの「自分宛て」
🟢 “思い出す場面”にメモを貼る
→ 冷蔵庫、玄関、スマホのロック画面など、視覚に入る場所に付箋や画像で配置
ぼくがいちばん大切にしている考え方はこれ:
「忘れない工夫」じゃなく、
「忘れても取り返せる仕組み」をつくること。
忘れる自分を責めなくていい。
忘れる前提で、やさしい設計をしてあげれば、
毎日がずっと楽になるよ。
「ぼくにも向いてるやり方」が見つかるまで試していい
ADHD傾向のある人が、
世の中の“効率的”とか“正しい”とされる方法でうまくいかないのは、
**「合ってないだけ」**のことが多い。
だから大丈夫。
きみに合うやり方は、まだ見つかってないだけなんだ。
ぼくも、たくさん失敗した。
- 手帳術を真似して3日でやめた
- タイマーアプリが逆にストレスになった
- 付箋だらけの机を見て、混乱してしまった
でも、そのたびに試し方を変えて、少しずつ調整していった。
うまくいかなかった方法は、遠回りじゃなくて「実験結果」だと考えるようにした。
ある日、「この方法、ぼくには合ってるかも」と思えたとき──
“自分にも続けられるやり方ってあるんだ”って、
心の中で、すごくホッとした。
それは誰かのマネじゃなくて、自分の特性と手を取り合える感覚だった。
✅ 試す自由は、いつでもきみにある
- アプリが合わなければ、紙でいい
- タイマーが苦手なら、音楽の1曲分で測ればいい
- 朝がつらいなら、夜型でもいい
大切なのは、世の中の「べき論」に自分を合わせることじゃなくて、
自分が動きやすい形を見つけること。
「こんなやり方でいいのかな?」って思っても、
うまくいったなら、それが正解だよ。
きみの暮らしの中で、きみにだけフィットする方法を探していい。
そして、見つかるまで何度でもやり直していい。
まとめ|“できなさ”は、君のせいじゃない
「なんでこんなこともできないんだろう」
「自分って、ほんとうにダメだな」
──そうやって、何度も自分を責めてきたきみに伝えたい。
“できなさ”は、きみの努力不足なんかじゃない。
ただ、そのやり方が合っていなかっただけなんだ。
ADHD気質を持つ人の中には、
- 予定を忘れやすい
- 集中が続かない
- 思考が飛びやすい
- 人間関係で誤解されやすい
そんな“困りごと”を抱えてる人が、たくさんいる。
でも、それって全部「欠陥」じゃない。
自分の取り扱い説明書が、まだ書きあがってないだけなんだ。
ぼくも、ずっと迷ってた。
でもある日、「ぼくにはぼくの設計がある」と思えたとき──
やっと、自分と手を取り合えるようになった。
だから、いまのきみにも言いたい。

ブレイブ(Brave)
きみが生きやすくなるための方法は、ちゃんと存在する。
それを見つけていく旅は、きみだけのものだ。
「できない」って悩んでた時間すら、全部、その旅の一部だったんだ。
きみは、ダメなんかじゃない。
ただ、“ちょっと特別な地図”が必要なだけ。
その地図を一緒に描いていけたら、
ぼくはすごくうれしい。