それって本当に「抜いたから増えた」の?
「また見つけちゃった、白髪…」
思わず指でつまんで、引っ張って──
でも、その直前でふと手が止まる。
「抜いたら、もっと増えるんじゃなかったっけ?」
そんな言葉が、どこかで聞いた“都市伝説”みたいに、頭をよぎる。
ぼく自身も、以前は信じてた。
白髪を抜くと、となりの毛穴まで伝染して、増えていく──そんな話。
だけどね、それって本当の話?
今回はこの「白髪を抜くと増える説」、医学的な根拠と実際のデータをもとに、やさしく紐解いていこう。
ナチュラルケア志向の人、頭皮が敏感な人、
そして「なんとなく不安で抜いてた」人にこそ、未来の髪を守るヒントになればうれしい。
結論だけ、こっそり伝えるとね──
「本当のリスク」は、実はまったく別のところにあるんだ。
目次
【検証】「白髪を抜くと増える」は医学的にウソ?
この話題、よく耳にするよね。
「白髪を抜くと、どんどん増えるんだよ」って。
でも、実はこれ、医学的には根拠のない俗説なんだ。
✅ 毛穴の構造は「独立式」
まず知っておいてほしいのは、人間の頭皮には約10万本の毛が生えていて、それぞれ独立した毛包(毛根の構造)を持っているということ。
つまり、ある毛穴の白髪を抜いたとしても、隣の毛穴には影響しない。
毛根が“つながってる”なんてことはないんだ。
医学的にもこれははっきりしていて、「1本抜くと3本増える」といった連鎖現象は起こらないと考えられている。
✅ 海外医師の見解:「毛包の自己判断による色素調整はない」
たとえば、アメリカの皮膚科医・クラレティ博士(アーカンソー大学医学部)はこう語っている:
「白髪を抜く行為が、ほかの毛穴に何らかの“増加指令”を与えることはありません。
増えたように感じるのは、見つけやすくなったタイミングと重なっただけです。」
つまり、増えたように“感じる”だけで、科学的には関係ないというのが、医師たちの見解なんだ。
✅ 俗説が広まった理由:「錯覚」が招いた誤解
でも、なぜこんなにもこの説が信じられてきたんだろう?
それは──
「白髪を1本見つける=他の白髪も生えてきたタイミング」だから。
たまたまその時期に、ほかの白髪が同時に育ってきていた。
でも、それを“抜いたせい”にしてしまったんだよね。
さらに、白髪って黒髪の中に1本あるととても目立つ。
角度や光の加減で、前より多く見えるだけ──それを「増えた」と思ってしまった人も多かったはず。
【じゃあなぜ“増えた気がする”の?】錯覚とタイミングの罠
「白髪を抜いたら、なんだか増えた気がする…」
──そんなふうに感じたこと、ないかな?
でもそれ、本当に“抜いたから”なのかな?
実はこの感覚、錯覚とタイミングの重なりによるものが大きいんだ。
✅ 見つけた=増えはじめたタイミングだっただけ
たとえば、最初の1本を抜いた時期。
実はその頃って、白髪の本数自体が少しずつ増えてきた時期と重なっていることが多い。
「抜いたら増えた」ではなく、
「ちょうど増えてきた頃に、たまたま抜いていた」──それだけなんだ。
✅ 光・角度・髪型で“目立ちやすくなっただけ”
さらに、白髪は光の反射で強く目立つ特徴がある。
分け目や毛流れによって、同じ本数でも「今日のほうが多く見える」ことも。
特に前髪・頭頂部など、鏡で確認しやすい位置に1本でもあれば、目に入りやすくなる。
その見え方の変化が、「増えた」と錯覚させる要因にもなるんだ。
✅ 頻度錯覚(頻度イリュージョン)という心理現象
心理学ではこれを「頻度錯覚(Baader-Meinhof現象)」と呼ぶこともある。
一度意識した対象は、脳がその情報を優先的に拾うようになる。
つまり、「白髪」に意識が向くと、他の白髪も急に目につくようになる。
結果、「急に増えた気がする」という主観的な錯覚が生まれる。
🧠 白髪が“急に増えた”と感じたときは、自分の感覚バイアスにも少し目を向けてみてほしい。
【それでも“抜く”のがNGな本当の理由】毛包リスクに注意
さて、「抜いたから増える」はウソだとして──
じゃあ、抜いてもいいの?って思うかもしれない。
でもね、ここがすごく大事。
“増えない”けど、“抜いていい”わけじゃない。
✅ 毛包はデリケート。繰り返し抜くと炎症や瘢痕化の原因に
髪の根っこをつくる「毛包(もうほう)」は、とても繊細な組織。
そこを無理やり引き抜くと、微細な炎症や組織の損傷が起こるリスクがある。
一度の刺激なら回復できても、繰り返すと“瘢痕化(はんこんか)”=傷あとが残る状態になることも。
その結果、どうなるか──
「その毛穴から、もう髪が生えなくなる」という未来すらある。
✅ 医師の見解:抜く行為は“髪の未来”にマイナス
日本皮膚科学会の「抜毛症」や「頭皮トラブル」関連の医師コメントでも、
「抜毛行為は一時的な満足感があるものの、毛包への慢性的なダメージを与え、
脱毛や薄毛の一因になることがある」──(皮膚科専門医・所見より)
と明言されている。
白髪が減るどころか、
「髪が生えない毛穴を自分で増やしてしまう」可能性がある。
これは、“見た目の本数”なんて比にならない、大きなリスクだよね。

ブレイブ(Brave)
髪の未来を守るって、いまの行動をちょっとだけ見直すことなんだよ
【代替策】どうすればいいの?ブレイブの“やさしい選択肢”
「抜いたらダメって言われても、じゃあどうすればいいの?」
──その問いに、ちゃんと“やさしい答え”があるから安心して。
髪と自分を傷つけない、白髪との向き合い方のヒントを紹介するね。
✂️ 【カットで対処】髪にいちばんやさしい選択
白髪を見つけたら、根元からハサミで切るのが一番おすすめ。
これなら毛包には負担をかけず、見た目もスッキリ。
ポイントは「切る位置」。
できるだけ根元ギリギリで、でも頭皮には触れないようにね。
🎨 【ぼかしアイテムやトリートメントカラー】“染める”以外のカバー方法
最近は、髪を傷めず自然にぼかすアイテムも増えてきた。
- 白髪隠しマスカラ(1本だけ隠せる)
- ヘアファンデーションやスプレー(分け目対策に◎)
- トリートメントカラー(毎日使えて色づきもやさしい)
「がっつり染めるのはちょっと…」という人には、
日常のケア感覚で“ちょっと隠す”アプローチが合うかも。
🛌 【体の中からケア】白髪が出にくい状態を育てよう
白髪は、睡眠不足・ストレス・栄養不足でも増えやすくなる。
- 質の良い睡眠(夜22時〜2時の成長ホルモンタイムを意識)
- ストレスコントロール(呼吸法・趣味・軽い運動)
- 栄養素の摂取(ビタミンB群・鉄・亜鉛・タンパク質 など)
「抜く」より、「整える」ことに力を使う──そのほうが、髪にも心にもやさしいんだ。

ブレイブ(Brave)
髪を敵にしない、それがいちばんのケアなんだ。
受け入れて、選んで、やさしく扱う──それだけで、未来の髪が変わっていくよ
【“抜かない習慣”は未来の髪を守る】本数より信頼を
1本だけなら大丈夫──
でも、その1本が、“これからの髪の未来”に影響を与えるかもしれない。
✅ 短期のスッキリ感より、長期の健康毛への視点を
「見えなくなればいい」
「なんとなく気になるから抜く」
──その場しのぎのスッキリ感の代わりに失うのは、毛包の命かもしれない。
白髪も、黒髪も、生え変わるには時間がかかる。
今の“ちょっとした習慣”が、5年後・10年後の髪を左右する。
✅ 「抜く」が続けば、“生えてこない”未来に近づく
炎症をくり返し、毛包がダメージを受ければ、
白髪どころか「毛自体が生えない場所」が増えてしまう。
それは、誰にも見えない未来で──
自分だけが気づく、“後悔”という感覚になるかもしれない。
✅ 若白髪世代こそ、“今の判断”が将来を左右する
20代・30代でも白髪が出ることは、まったく珍しくない。
むしろ今は、「ナチュラルにグレイを活かす」流れもある時代。
“隠すために抜く”より、“育てながら整える”を選ぶ方が、
「自分の髪と信頼関係を築く」ような感覚で長くつき合っていける。

ブレイブ(Brave)
髪と仲直りすることって、自分の未来を信じることだよ。
抜かない選択は、きっと何年後かの君に感謝されるんだ
🧩まとめ|君の髪と、これからどう向き合う?
「今日もまた1本、見つけた──」
鏡の前で、つい目が止まる。
そのときに、
抜くか、守るか。
ほんの数秒の選択が、
これから何年先もの髪の未来を決めるかもしれない。
✅ 「抜くと増える」は迷信──でも、抜くリスクは本物
医学的には、白髪を抜いたからといって「増える」ことはない。
でも、「減る」わけでもなく──
むしろ将来的に“その毛穴から毛が生えなくなる”可能性すらある。
✅ 髪に“やさしい選択”は、自分への信頼につながる
白髪に悩むことは、悪いことじゃない。
ちゃんと“気づいている証”だから。
でもそこに、「抜く」という乱暴な答えじゃなくて、
“やさしい選択”を添えてあげてほしい。
ハサミで切る、ぼかす、育てる──
そんな積み重ねが、
髪と自分に対する信頼と誇りをつくっていく。
✅ 今日から、“抜かない習慣”をそっと始めよう
急に何もかも変えなくていい。
でも、「抜く」という行動をやめてみるだけで、
髪は静かに安心して、また少しずつ応えてくれる。
白髪は、敵じゃない。
“自分の一部”として、大切にできるようになるだけでいい。

ブレイブ(Brave)
白髪が気になるのは、ちゃんと“気にしてる証”だよ。
でもそれって、自分のことを大切に思ってるってことじゃない?
だったら──やさしくしてあげよう、自分にも、髪にも。