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「SPF50のほうがいい」って、ほんと?
──ドラッグストアの棚で、ふと足が止まった。
「SPF50+」「PA++++」と大きく書かれた日焼け止めのパッケージ。
その数値の高さに、ブレイブはつい手を伸ばしかけた。
「やっぱり数字が高いほうが、肌を守ってくれるんだよね?」
そんなふうに思うのも、無理はない。
でも──本当にそれが、いちばん“正しい選び方”なのだろうか?
紫外線対策は、数字だけじゃ測れない。
それどころか「高すぎる数値」が、かえって肌の負担になることもある。
この記事では、「SPFとPAって何?」「高いほうがいいの?」という素朴な疑問から出発して、“あなたの肌に合った選び方”を一緒に探っていく。
【基本】SPFとPAってそもそも何を示してるの?
日焼け止めに必ず書かれている「SPF」や「PA」──
なんとなく「高いほうがよさそう」と思われがちだけど、まずはそれぞれの意味を正しく理解しよう。
🔹SPFは“赤み”の原因・UVBを防ぐ指標
SPFとは、UVB(短波長紫外線)に対する防御力を示す数値。
- UVBは、肌が赤くなる「サンバーン(日焼け)」の原因。
- SPF1あたり、およそ20分の防御効果があるとされている。
つまり、
- SPF30 ⇒ 約600分(=10時間)
- SPF50 ⇒ 約1000分(=約16時間)
と、理論上は長時間の防御ができる計算だ。
ただしこれはあくまで、
皮膚1cm²あたり2mgの日焼け止めを塗布したときの実験値。
実際の使用量では、この基準よりずっと少なくなることが多く、
「SPF50を塗った=16時間OK」にはならないのが現実。
🔹PAは“老化”の原因・UVAを防ぐ指標
PAとは、UVA(長波長紫外線)に対する防御力を表す目安。
- UVAは、肌の真皮層に届き「しわ・たるみ」の原因となる。
- 「PPD(Persistent Pigment Darkening)」という数値に基づいて、
- PA+ → PPD 2〜4
- PA++ → PPD 4〜8
- PA+++ → PPD 8〜16
- PA++++ → PPD 16以上
日本ではPA++++が最高だが、海外ではPPD値がそのまま表記される場合もある。

ブレイブ(Brave)
SPF=赤み、PA=老化の防御力。役割が違うんだ。
どっちも大事だけど、“使う場所やシーン”でバランスが変わってくるよ
【誤解】SPF50はSPF30より“劇的に強い”わけじゃない
「SPF50のほうがSPF30より“ずっと強い”──」
そんなふうに思っていたら、ちょっと待って。
実は、カットできる紫外線の量に、大きな差はないんだ。
SPF値 | UVBカット率(理論値) |
---|---|
SPF30 | 約97% |
SPF50 | 約98% |
たった1%の差。
その“1%のために”、肌への刺激や価格、使用感を犠牲にしていない?
🔹SPFが高いほど負担も大きい?
- 成分が多いため、乾燥・刺激・皮膜感を感じやすい
- 敏感肌・インナードライ肌には、むしろ逆効果になることも
- “落ちにくさ”が、クレンジングの負担を増やすリスクもある

ブレイブ(Brave)
SPF50の“数字の魔力”に振り回されるより、
自分の肌と相談して、“ちょうどいい”を見つけようよ
【現実】“効果を最大化”するには塗り方と頻度が命
日焼け止めの真価は、数字じゃなく“使い方”で決まる。
「朝1回塗ったら一日安心」と思っていない?
それだと、SPF50でも守り切れないのが現実。
🔹正しい塗布量=「顔だけでパール2粒分」
SPFやPAの表示は、
1cm²あたり2mgを塗ったときの実験値
だけど、実際に塗ってるのはその半分以下の人が多いと言われている。
→ 薄く塗る=表示されてる防御力の半分以下になる可能性も
🔹塗り直しが効果を左右する
汗・皮脂・マスクで日焼け止めはどんどん落ちる。
- SPF50を朝に1回だけ塗るより、
- SPF30をこまめに塗り直すほうが、ずっと効果的!
🔹「塗り直しできない問題」には代替策を
メイクをしていると、塗り直しってなかなか難しい。
でも、最近はこんな便利アイテムも出ている:
- スプレータイプ:メイクの上からシュッと吹きかけるだけ
- パウダータイプ:テカリ防止+紫外線対策を両立
- UVシート:手を汚さずサッと塗り直せる

ブレイブ(Brave)
完璧じゃなくていい。
でも、“ちょっと意識するだけ”で、君の肌はぐっと守られるよ
【選び方】“数字より暮らし”が日焼け止めの正解をくれる
「とにかくSPF高ければ安心」──それは、ちょっともったいないかも。
本当に大事なのは、「どんなときに使うか」と「自分の肌質」。
暮らしに合った選び方こそ、最良の紫外線対策になるんだ。
シーン | おすすめSPF/PA | 補足ポイント |
---|---|---|
炎天下のレジャー・運動 | SPF50+/PA++++ | 汗や水に強いウォータープルーフ、アウトドア仕様 |
通勤・買い物 | SPF30〜40/PA+++ | 軽い使用感+メイクと相性の良い処方 |
室内中心・敏感肌 | SPF20〜30/PA++ | 紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)+保湿重視 |
子ども・赤ちゃん | SPF20〜30/PA++ | ノンケミカル、石けんで落とせる優しさを重視 |
🔸「Broad Spectrum(広域防御)」って?
- UVA・UVBの両方を防げることを示す表示
- 海外製品で見かけることが多いが、安心材料のひとつとして覚えておくと◎

ブレイブ(Brave)
日焼け止めは“守る装備”。だからこそ、“自分仕様”を選んであげてね。
【補足】日焼け止めと肌の関係、ちゃんと知っておこう
なぜ日焼け止めが必要なのか──
それは単に「焼けないようにするため」だけじゃない。
🔹紫外線がもたらすダメージは意外に深い
- しみ・しわ・たるみなどの肌老化の原因
- 免疫機能の低下
- 皮膚がんのリスクの蓄積(とくに長年の蓄積が問題)
しかも、これらは曇りの日や冬でも蓄積される。
肌の老化の8割は「光老化(photoaging)」が原因
→ 年中対策が必要な理由、ここにあり
🔹「日焼け止めは肌に悪い」って本当?
結論から言えば、合わない製品を使えば刺激になることもある。
でも、以下のポイントを押さえれば大丈夫:
- 紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル):刺激が少ない
- アルコールフリー/パラベンフリー:乾燥や赤みを防ぎやすい
- 石けんで落とせるタイプ:クレンジングの負担を軽減
- 白浮きしにくい処方:見た目のストレスも減る

日焼け止めは、肌と仲良くするための“盾”なんだ。
合うものを選べば、きっと心強い味方になってくれるよ。
【ブレイブ式まとめ】きみにぴったりな日焼け止めの見つけ方
選び方に迷ったとき──思い出してほしいのは、
「数字」じゃなく「自分との相性」だってこと。
- SPFとPAは、“敵の種類”を見極めるための地図
→ UVBで赤み、UVAでしわ──目的によって守り方が変わる。 - “高ければ安心”ではなく、“合っている”がいちばん強い
→ 生活スタイル、肌質、使用感──それらすべてがヒント。 - 使い方しだいで、SPF30はSPF50以上の実力を発揮する
→ 適量・塗り直し・タイミングが、“効果”の鍵を握る。 - 日焼け止めは、“肌を守る道具”であり、“自分を信じる習慣”でもある
→ 肌と心を労わる、静かなセルフケア。

ブレイブ(Brave)
肌を守るって、戦うことじゃない。
君にとっての“心地いい味方”を、ちゃんと見つけよう。
それが、いちばん強くて、やさしい選び方なんだ。