「お母さんも髪が薄かったから、わたしも…?」
そんなふうに思い詰めた顔の相談者に、ぼくは、こう返したことがあるんだ。
『たしかに遺伝はゼロじゃない。でも、それだけじゃないよ』って。
“家系だから仕方ない”とあきらめる前に、
この記事では、“薄毛の遺伝”がどう関係しているのか、
そして、“どこから自分の力で変えられるのか”を、
いっしょにやさしく整理していこう。
ぼくも昔、自分の家系に似た傾向を感じて、
「ぼくの未来も同じになるのかな…」って不安になったことがあった。
でも、知ることで気づいたんだ。
「変えられない部分」と「選び直せる部分」が、ちゃんとあるって。
目次
「薄毛家系かも…」と不安になる瞬間
ふと、鏡の中で髪の分け目が広がっているのに気づいたとき──
それが“母と同じ”と感じてしまった瞬間──
心がすっと冷えるような感覚になることって、あると思うんだ。
「母も、祖母も、髪が細かった」「同じ部分が薄くなってる気がする」
そんな風に、“未来への不安”がふいに押し寄せる瞬間。
でもね、思い詰める前に、まずは少しだけ深呼吸して。
“遺伝するのは髪型じゃない。体質なんだ”ってことを、
ゆっくり確認していくところから始めてみよう。
遺伝が関係する薄毛とは?男性型との違い
薄毛の話になると「AGA(男性型脱毛症)」という言葉をよく聞くよね。
実は女性にも似たような現象が起きることがあって、
それを「FAGA(女性型脱毛症)」って呼ぶんだ。
FAGAの特徴は、頭頂部のボリュームが少しずつ減っていくこと。
生え際が後退するというよりは、全体的に髪が細く、やわらかくなって、
地肌が透けて見えやすくなるタイプなんだ。
そしてこのFAGAは、いわゆる“多因子型”といって、
1つの原因だけではなく、「遺伝+ホルモンバランス+ストレス+栄養」など、
いろんな要素が複雑に絡み合って起こるものなんだよ。
つまり、「遺伝=発症確定」ではなく、
「遺伝という土台+生活の重なり」によって左右されるということ。
“体質”は遺伝しても、“運命”は変えられる
たしかに、髪の太さ・毛根の形・皮脂の分泌傾向など、
“髪に関わる体質”はある程度遺伝の影響を受けることが分かっているよ。
でも、だからといって、未来が全部“決められてる”わけじゃない。
ぼくたちには、“選べる要素”がちゃんと残されている。
たとえば:
- 毎日の食事のバランスを整える(たんぱく質/亜鉛/ビタミン)
- 頭皮環境をやさしく整える(低刺激シャンプー/保湿ケア)
- 睡眠時間をしっかり確保する(成長ホルモンの働きを活かす)
- ストレスをうまく逃がす習慣をつくる(呼吸法/趣味/運動)
体質は、キャンバス。
そこにどんな色を塗るかは、今の“君自身”が決めていいんだ。
実際の相談例:「母も祖母も薄毛。私も?」
以前、20代後半の女性が相談に来てくれたことがあった。
「母も祖母も薄毛でした。私も最近、生え際が気になって…」と。
話を聞くと、彼女は日々の忙しさから食事はコンビニ中心、
帰宅後はバタンと寝てしまう生活で、頭皮ケアにも自信がなかった。
でも、知識を重ねていくうちに、少しずつ考え方が変わっていった。
「体質は受け継いでも、ケアの仕方は選べる」
実際に、食事を整えて睡眠を見直したことで、
2ヶ月後には髪のボリュームが少しずつ戻ってきたんだ。
“運命”って、変わることもあるんだって、ぼくも教えてもらった気がするよ。
今日からできる、“遺伝型”への優しいアプローチ
じゃあ、どんなことから始めたらいいのか──
今日は君に、“できることリスト”をそっと手渡すね。
- 朝は10分だけ早く起きて、頭皮マッサージをしてみる
- ビタミン・ミネラル豊富な食事を1日1回でも意識してみる
- 入浴後はなるべく自然乾燥ではなく、やさしい温風で乾かす
- スマホを置いて、深呼吸してから寝てみる
- 時間がある日は“好きな自分”を映す鏡を見てあげる
そして、もし本格的にケアを考えているなら、
FAGA専門のクリニックや女性専門皮膚科で相談するのもおすすめだよ。
「早く動いた人ほど、守れる範囲が広がる」──これは、信頼できる真実なんだ。
大切なのは「自分を否定しない」こと
髪が抜け始めると、つい心まで後ろ向きになってしまうよね。
「やっぱり私、ダメなんだ」って。
でも、その言葉は、ほんとうは君の言葉じゃない。
きっと、比べすぎて疲れた心がつぶやいてしまったものなんだ。
“家系”も“体質”も、たしかに簡単に変えられないものかもしれない。
でも、「それをどう育てていくか」「どこに焦点を当てるか」は、
今ここにいる君が、選び取っていい。
鏡の中の自分を、責めるのではなく、
そっと見守ってあげられるような視線を、自分にも向けてみて。
君の髪も、心も、きっと応えてくれるから。
ブレイブからのやさしい結び
体質って、たしかに“もらうもの”かもしれない。
でも、“どう生かすか”は、自分で選べるんだと思う。
ぼくも、昔は不安だった。
「どうせ僕の髪も…」って諦めかけた日もあった。
でも今は、思うんだ。
“何もできない”って、ほんとうは“まだ知らない”だけだったんだって。
『ぼく、遺伝で決まってるから…』ってあきらめる前に、
できることを、一緒に探してみないか?
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「──ところで、“原因がひとつじゃない抜け毛”って、知ってる?
仕事、育児、更年期…いろんな要因が重なると、
髪にも“揺らぎ”が出やすくなるんだ。
次はそんな【複合型の抜け毛】について、話していこう。」