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「眠れない夜」にできる小さな工夫
「布団に入ったのに、なかなか眠れない──」
そんな夜を過ごしたこと、きっとあるんじゃないかな。ぼく自身もそうだ。頭の中で仕事や今日の出来事がぐるぐる回って、気づけば時計の針が深夜を指している。
眠れない時間が増えると、次の日の集中力や気分にも影響する。そんな時に助けになるのが、眠りのホルモンメラトニン。
サプリで摂る方法もあるけれど、日々の食事の中でもメラトニンを増やす工夫ができるんだ。
今日は、「食べ物でメラトニンをサポートする」という視点から、無理なく取り入れられる食材を紹介していくね。
🥜 メラトニンを直接含む食材
実は、食べ物の中には少量ながらメラトニンそのものを含む食品がある。代表的なのが次のような食材だよ。
- くるみ(ウォルナッツ)
- アーモンド
- チェリー(特にサワーチェリー)
- ブドウ
- トマト
こうした食品は、体内時計のリズムを整える助けになるといわれている。特にくるみは手軽につまめるし、夜の軽いおやつにもおすすめ。
ただし注意してほしいのは、メラトニンの量は食品ごとに微量であること。食べたからすぐに眠れる、という即効性は期待しすぎないほうがいいんだ。大切なのは、毎日の積み重ねとして食習慣に取り入れることなんだ。
🌾 メラトニンの材料になる「トリプトファン」食品
体の中でメラトニンを作るためには、まず材料が必要になる。そこで欠かせないのがトリプトファンという必須アミノ酸。
トリプトファン → セロトニン(幸福ホルモン) → メラトニン(睡眠ホルモン)
という流れで、体内で変換されていく。つまり、トリプトファンを含む食べ物を意識して摂ることで、メラトニンの生成を助けられるんだ。
主なトリプトファン食品はこんな感じ:
- 大豆製品(豆腐、納豆、味噌、豆乳)
- 牛乳・ヨーグルト・チーズ
- 鶏むね肉・七面鳥
- 卵
- バナナ
特に大豆製品と乳製品は日本の食卓にもなじみ深いから、意識せずとも摂れている人も多いかもしれない。たとえば、夜ご飯に豆腐や味噌汁を添える、寝る前に温かいホットミルクを飲む──そんな小さな工夫でOKだよ。
🍌「バナナ+ホットミルク」は眠りの王道コンビ
ここでひとつ、取り入れやすい実例を紹介したい。
それが「バナナ+ホットミルク」の組み合わせ。
- バナナ:トリプトファンとビタミンB6を含み、セロトニン合成をサポート
- ミルク:トリプトファンが豊富で、温めることでリラックス効果もプラス
この2つを一緒にとると、メラトニンの材料が効率よく揃って、体が自然に眠りモードに入りやすくなるんだ。夜食にも軽めでちょうどいい。
🌙 食材を「日常リズム」に組み込む工夫
せっかくメラトニンの材料になる食材を意識しても、取り入れる時間帯を誤ると効果を十分に感じられません。
たとえば、バナナやヨーグルトのようにトリプトファンを多く含む食品は 夕食〜寝る2時間前 に取り入れるとよいとされます。これは、体内でセロトニンに変換され、さらに暗くなるとメラトニンに移行する流れに合わせやすいためです。
逆に、朝にトリプトファンを取ると「セロトニン活性」に寄与し、日中の覚醒度を高める助けになります。つまり、 朝は元気の材料、夜は眠りの材料 として同じ食材を活かせるのです。
🌙 サプリではなく食材から摂るメリット
近年は「メラトニンサプリ」も話題ですが、日本では医薬品扱いのため基本的に市販されていません。その代わり、トリプトファンやグリシンなどを含むサプリは入手できます。
ただし、専門家の多くは まずは食材から をすすめています。
理由はシンプルで、食材は「他の栄養素」との組み合わせで相乗効果を生むからです。
たとえば、ナッツ類にはマグネシウムが豊富ですが、脂質や食物繊維も含まれており、血糖値の安定や腸内環境改善を通して睡眠の質を底上げする可能性があります。
食材を丸ごと摂ることが、単一サプリにはない多層的な働きをもたらしてくれるのです。
🌙 食事と睡眠の「落とし穴」
一方で、注意すべき点もあります。
- 過食や高脂肪の夕食
胃腸に負担がかかり、寝つきが悪くなる原因に。メラトニン以前に「消化に体力が奪われる」ことを避けたいですね。 - カフェイン・アルコール
コーヒー・エナジードリンク・お酒はメラトニンの分泌リズムを乱すことが知られています。特に夕方以降は控えるのが無難。 - 寝る直前の糖質大量摂取
一時的に眠くなっても、血糖値の乱高下で夜中に目が覚めやすくなります。
つまり「眠りを助ける食材」と「眠りを邪魔する習慣」を区別することが大切です。
🌙 まとめ|眠りを食材でデザインする
メラトニンは夜のスイッチとも呼べるホルモン。
トリプトファンをはじめ、ビタミンB6・マグネシウム・抗酸化成分などを含む食材を上手に選び、生活リズムに合わせて取り入れることで、自然な眠気と深い休息を得やすくなります。
ポイントは、特別なものを探すのではなく、
「バナナ・牛乳・ナッツ・魚・野菜・果物」など、日常で手に入るシンプルな食材を組み合わせて続けること。
眠りを整えることは、明日の集中力や気分の安定にも直結します。
きょうの食卓にちょっとした工夫を加えて、自分の眠りを食材でデザインしていく──それが、持続的な健康とパフォーマンスへの近道なのです。





