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「怖い」の正体に名前をつけてみよう
「就活、怖いな……」
この気持ちは、誰かと比べた結果じゃなくて、
もっと静かで、もっと深い“何か”からきている。
── もし「自分に自信がないから」だけじゃないとしたら?
── もし「やりたいことが分からないから」だけじゃないとしたら?
怖さの“正体”に名前をつけることは、
ぼくたちが前に進むための、いちばんやさしい準備だ。
だから今日は、“就活が怖い”という感情を、ひとつずつ分解してみよう。
就活が怖いと感じる5つの原因
就活に対する「怖さ」は、実はひとつではない。
ぼくたちが抱えるその感情は、いくつもの要素が折り重なってできている。
代表的なものを、5つに分けてみよう:
- 自分が「評価される立場」になる不安
→ 今まで受け身だった世界から、評価される側に立つことへの戸惑い。 - 未来が決まってしまうような“重さ”
→ 一社の選択が「人生を左右する」と感じてしまうプレッシャー。 - “正解”が見えない中での行動への恐れ
→ 情報が多すぎて、「これでいい」が見つからない迷い。 - 他人との比較による劣等感や焦り
→ SNSや説明会で見かける“完璧な誰か”と、自分を比べてしまう。 - 「本音を出していいのか?」という不信感
→ 企業側に“求められる自分”を演じなければならない感覚。
── こうして整理してみると、「就活が怖い」って、
決して弱さじゃなくて、“まっすぐ向き合ってる証拠”なんだよね。
“評価される自分”と向き合う苦しさ
たとえば面接の場。
ぼくたちは、ただ「話す」だけじゃなく、「評価される」ことを前提に立たされる。
これが、ものすごくしんどい。
「うまく話さなきゃ」
「ミスしたらダメだ」
「印象に残らないと、意味がないかも」
── こうした思考の裏には、
「自分の価値は他人が決めるものだ」という前提がある。
でも本当は、評価って“対等な出会い”の中で生まれるものだ。
評価の目線ばかりを気にしすぎると、自分の声が遠くなる。
相手にどう見えるかを磨く前に、自分の中の“納得”を整えること。
それが「怖さ」を和らげる第一歩になる。
「何をやりたいか分からない」焦り
就活の中でもっとも多い悩みが、これじゃないかな。
「自分が何をやりたいのか分からない」っていう焦り。
周囲の誰かが「志望業界が決まった」とか「内定が出た」と言うたびに、
自分だけが取り残されていく感覚になる。
でもね、「分からない」は悪いことじゃない。
むしろ、ちゃんと“考えようとしている証”なんだ。
やりたいことが分からなくても、
「今の自分が大事にしたい価値観」や「好きな雰囲気」を見つけるだけでもいい。
小さな軸をひとつずつ拾っていくことで、やがて“道”になる。
面接=プレゼンではない。対話の練習を
就活の面接って、「プレゼン」みたいに感じることが多いよね。
完璧な答えを用意して、覚えて、スライドのない舞台に立つような緊張感。
でも、ほんとうはちがう。
面接って、「人と人の会話」でしかないんだ。
大事なのは、流暢に話すことじゃなくて、
“等身大の自分で、相手と対話をしようとする姿勢”。
たとえば質問に対して、こう答えてもいい:
「まだ完全に決めきれていないのですが、こういう理由で今、興味を持っています」
「過去にはこういう選択をしたんですが、今は少し考え方が変わってきていて──」
誠実さは、伝わる。
対話の練習を積むことは、「怖さ」を「つながり」に変える技術なんだ。
“合わなかった企業”も、財産になる
「落ちた=価値がない」って思ってしまうこと、あるよね。
でも、それってすごくもったいない。
“合わなかった”という体験は、
「自分にとって何が大事なのか」が見える貴重なヒントになる。
たとえば、
・雰囲気が固すぎた → 自由な風土を大切にしたい
・仕事内容にピンとこなかった → 興味の軸を見直せる
・面接が一方通行だった → 対話を大切にする企業が合うかも
── 落ちた企業にも、感謝できるようになるかもしれない。
だって、自分の軸をくっきりさせてくれたから。
失敗は“終わり”じゃなく、“整理”なんだ。
その視点を持てるだけで、就活はずっと優しくなる。
不安を“準備”に変えるマインドセット
不安って、消そうとすると膨らむ。
でも「使おう」とすると、少しずつ形が変わっていく。
たとえば:
- 面接が怖い → 録音して話す練習をしてみよう
- 志望動機に自信がない → 企業分析を深くしてみよう
- 自己PRが薄い気がする → 実体験をもとに棚卸ししてみよう
こうやって、不安の“素材”を観察して、
それを“準備”に変えることができるとしたら──
就活は「戦う場」じゃなくて、
“自分と話し合う時間”になる。
🔹まとめ|「きみらしい一歩」でしか、道は拓けない
就活が怖いのは、「きみの心が弱いから」じゃない。
それは、見えないプレッシャーと向き合おうとしている証拠。
大切なのは、その不安にちゃんと“名前”をつけてあげること。
ぼくたちは、名前のないものを怖がりやすいから──。
ここに、「就活が怖い」と感じる理由を7つ、あらためてリストにしてみたよ。
🐾就活が怖い7つの理由(分解リスト)
- 「人に評価される自分」が怖い
└ 点数をつけられるような感覚にプレッシャーを感じる。 - 「自分に合う会社が見つかる気がしない」
└ どこかで“正解の企業”を探してしまう焦り。 - 「やりたいことが分からない」ことへの罪悪感
└ 好きなことが“職業”にならない不安。 - 面接という場に対する緊張・対人恐怖
└ 「正しく話さなきゃ」「失敗できない」と力んでしまう。 - 「落ちる=自分を否定された」と感じてしまう
└ 自信の根っこが揺さぶられる。 - 「周りが先に進んでいるように見える」焦り
└ SNSや友人との比較で自分を見失う。 - 「社会人=人生が決まる」ような重圧感
└ たった一回の就活で未来を選ばなければならないという思い込み。
「怖さ」には理由がある。
でも、「怖いままでも動いていい」。
間違っても、転んでも、戻ってきても大丈夫。
道は、“きみらしい一歩”の先にしか現れないんだから。
──ぼくも、いっしょに探してるよ。